GP2ハッカソン2025:ツールとコミュニティの構築

10月 15, 2025

Hampton Leonard、Mary B Makarious、Lara Lange、Zih-Hua Fang より

GP2ハッカソン2025は、若手研究者の実践的な学習、コラボレーション、メンターシップを促進することを目的とした、より広範なGP2トレーニングプログラムの一環として開催されました。2025年8月27日から29日にかけて、16名の研修生がドイツのリューベックに集まり、University of LübeckのChristine Klien教授主催の3日間の精力的なイベントに参加しました。

ハッカソンは、GP2の最新データを活用した集中的なプロジェクトワークと、インタラクティブなトレーニングやネットワーキング活動を組み合わせて行われました。複数チームがVerily Workbenchを使用してGP2データセットにアクセスし、クラウドベース環境で直接分析を行いました。

研修生はネットワークを構築し、GP2のリーダーシップメンバーからメンターシップを受ける機会を得ました。こうした交流は、キャリア開発やコラボレーションの機会、GP2の今後の研修生支援方法などについて、貴重な機会になりました。

グローバルな参加

今年のハッカソンコホートには、6大陸13カ国から研修生が参加し、GP2が包括的でグローバルな研究に取り組んでいることをアピールしました。

  • 北米:アメリカ合衆国
  • アフリカ:南アフリカ、ガーナ、アルジェリア
  • ラテンアメリカ:メキシコ、チリ、ブラジル
  • アジア:マレーシア、アルメニア
  • ヨーロッパ:イギリス、スロバニア、ウクライナ
  • オセアニア:オーストラリア

ワークショップ*2025年のハッカソン研修生、プロジェクトリード、GP2トレーニング・ネットワーキングWGメンバー

プロジェクトの概要

研修生は4つのチームに分かれ、それぞれ特定の分析プロジェクトに焦点を当て、経験豊富なメンターのサポートを受けました。

  1. プロジェクト1:Lara M. Langが主導し、パーキンソン病コホート全体でLRRK2とその変異体に関連する遺伝子および機能データを探索するための一元化された使いやすいインターフェースであるLRRK2 Browsing Toolを開発しました。
  2. プロジェクト2:Mary Makariousが主導し、GP2の最近のヨーロッパのメタGWASサマリー統計を使用して、以前のモデルと能力を比較し、ポリジェニックリスクスコア(PRS)を評価しました。
  3. プロジェクト3:Hampton Leonardが主導し、PD関連変異体と最も強い関連を示す脳細胞の種類を特定するために、細胞型特異的な遺伝シグナルのエンリッチメントを探索しました。
  4. プロジェクト4:Zih-Hua Fangが主導し、Expansion Hunter Denovoを用いたゲノムワイドなリピート展開の検出に焦点を当て、未解決のGWAS遺伝子座を説明しうる既知または新規のリピート展開の同定を目指しました。

感想

「臨床経験を持つ者として、ハッカソンはスキルアップに強い影響を与えてくれました。計画、タスク配分、チーム編成の経験を積むことができ、データ抽出や変異分析のためのバイオインフォマティクスツールも導入しました。」-ラテンアメリカGP2研修生代表 Elías Fernandez-Toledo[ハッカソングループ1]*左から右:GP2研修生Vesna van Midden;Elias Fernandez-Toledo;グループ1プロジェクトリードLara Lange

「他の研修生と話す機会は、自分たちの発見を効果的に発表するための新しい視点を与えてくれました。Verily Workbenchを使って、バグの解決やスクリプトの実行を効率化する方法を学びました。」-ラテンアメリカGP2研修生代表 Lucas Faria Costa[ハッカソングループ2]*左から右:GP2研修生Ana Jimena Hernández-Medrano;Mariam Isayan;グループ2プロジェクトリードMary Makarious

「ハッカソンのおかげで、将来のキャリアに向けて機能ゲノム学のスキルが身に付きました。ニーズにぴったりでした!」ーGP2ヨーロッパ研修生代表 Alexandra Zirra[ハッカソングループ3] *左から右:GP2研修生Solomiia Bandrivska、Alexandra Zirra、グループ3プロジェクトリードHampton Leonard、GP2研修生Paula Reyes

「WGSと仕事をしたことがなかったので、良い勉強になりました。Mary Makarious氏とSpencer Grant氏による論文発表のベストプラクティスに関するプレゼンや、公開データセットの紹介も、我々の分析に関する追加的トレーニングとなったので良かったと思います。」-アフリカGP2研修生代表 Kathryn Step[ハッカソングループ4]*左から右:GP2研修生Yasser Mecheri;Kathryn Step;グループ3プロジェクトリードZih-Hua Fang;GP2研修生Carlos Hernández;Victor Flores Ocampo

「スピードネットワークの活動は、研修生がOCメンバーとつながり、知り合う絶好の機会となりました。GP2のトレーニング機会の将来について安全に議論できる場を作り、トレーニングネットワークの勢いを維持し、機会を拡大し続ける方法を理解する助けとなりました。」-GP2トレーニング&ネットワーキングWGコーディネーター Charlotte Andrews*GP2研修生、プロジェクトリード、GP2リーダーシップチームのメンバーが参加するスピードネットワーキングセッション

今後の展望

このハッカソンは、最近のGP2の出版物やデータセットを基に構築した複数の有望なプロジェクトの立ち上げを支援しました。分析は進行中ですが、リューベックで開花したコラボレーションは、今後数ヶ月続くでしょう。

近日中に追加のハッカソンを開催する予定です。参加や学習などに興味のある方は是非ご連絡ください!

ワークショップ*GP2トレーニングプログラム2025:GP2研修生、ハッカソンプロジェクトリード、トレーニングおよびネットワーキングWGのメンバー、GP2リーダーシップ*写真はすべてGP2モノジェニックネットワークメンバーのChristoph Westenberger氏提供

著者に会う

共同研究リード

Hampton Leonard

National Institute on Aging/National Institutes of Health | USA

バイオメディカルデータサイエンティスト、コントラクター

Mary B Makarious、PhD

National Institutes of Health | Washington D.C.

ポスドクフェロー、臨床科学者

Lara Lange、MD

University of Lübeck and University Medical Center Schleswig-Holstein | ベセスダ

科学者

Zih-Hua Fang、PhD

German Center for Neurodegenerative Diseases