グローバルパーキンソン病遺伝学プログラム(GP2)にとって、パーキンソン病(PD)研究の変革に取り組む研究者のグローバルコミュニティの構築は非常に重要です。これを達成するために、コミュニティは効率的に協力し、進歩への障壁を最小限に抑えなければなりません。そのため、各研究者がGP2の目標や、目標達成の根底にある理念と信頼をきちんと理解する必要があります。これらの目標を促進するため、GP2研究員の行動規範が説明されています。これは法的枠組みではなく、研究員が理念に従い、迷った場合はガイダンスを求めることができ、GP2の基本理念を解説する文書です。GP2の基本理念は次の通りです:
- GP2とその研究者は、予期せぬことを回避する目標の元で、透明性をもって従事します
- GP2とその研究者は、GP2または個々の研究者のためではなく、研究・患者コミュニティ全体にとって最善の選択肢に焦点を合わせます
- GP2の研究者は正直、公正、信頼に基づく環境で協力します。GP2とそのメンバーは、若手研究者を応援します
- GP2のメンバーはお互いのこと、臨床、科学、患者・患者コミュニティのメンバーを敬意とプロ意識を持って扱います
- GP2とそのメンバーは、声が反映されにくい地域からの研究者を応援します
- GP2とそのメンバーは、他のグループのデータと自律性を尊重します
- GP2メンバーは、非公開のGP2データ・結果を許可なく他者と共有しません
- GP2分析スペース外でGP2メンバーは、明確な許可なしに、自分のサンプルで生成されたデータ以外の個人レベルのGP2データを共有したり研究したりすることはありません
データ共有
GP2の基本理念は、取り組みによって生成された関連データを研究コミュニティが利用できるようにすることです。最も基本的なレベルではデータ共有が要件で、これがGP2への関与の条件です。この理念は、単純な共有にとどまらず、技術ユーザーと非技術ユーザーによる分析、共同研究、および科学的進歩をサポートする方法でデータを利用できるようにすることを含みます。データ生成と初期品質管理の後、GP2データはコホート提出者に直接返却されます。完全な品質管理とデータ処理の後、データは共有のためにコミュニティプラットフォーム(AMP-PD、https://amp-pd.org/など)に送られます。その場合、各参加センター・研究員は、貢献コホート共同研究合意書と素材・データ移動合意書(MTA/DTA)の一部となるGP2共同研究グループと生データの共有に同意する必要があります。さらなる要件としては、センター・研究員がこれらのデータからの要約結果を無制限に広く研究コミュニティと共有し、データポータル(AMP-PDなど)を通じて合意に基づいて管理された生データを信頼でき、資格のある研究者と共有することです。このデータの流れは、重要なデータを可能な限り迅速かつ簡易に研究コミュニティが利用できるようにすることを目的としています。私たちは潜在的リスクを認識しており、特に、研究者がデータの提供、知的インプットの喪失、または競争優位性の喪失を懸念している可能性があることを理解しています。しかし、私たちは、コミュニティと貢献する研究者にとってメリットがリスクを大幅に上回っていると信じています。アクセスには、提案された分析をサポートするためのGP2内の計算リソースや専門知識、そしてGP2の目的に関連した追加分析、およびGP2の主要な目的と若干異なる対象の分析を実行するためのGP2コミュニティへのアクセスがあります。データは貢献している研究員・サイトに直ちに返却され、自身の研究課題に取り組む為にこれらのデータを使用する自律性を保持できます。GP2メンバーには、分析を提案して主導し、GP2データを活用してGP2の初期権限外のものを含む質問をし、コア分析で積極的に協力することを推奨します。GP2は、積極性のある個人がこれらのデータを使用するためのトレーニングと機会を提供することに取り組んでいます。透明性と効率性を維持するため、GP2にはサプライズ(予期せぬこと)なしというポリシーがあります。研究員のGP2データの探究をお勧めしますが、これが真の研究課題に進む最初の時点で、質問のスコープをGP2に宣言する必要があり、他のGP2研究者と共有されます。これにより、内部競争を最小限に抑え、重複する作業を減らし、方向性とデータが科学者間でコラボレーションできる知的空間を作成できるという利点があります。
アクセス管理されたレポジトリ上のデータリリースを介したGP2データの利用:
GP2データは機密情報と見なされ、精査された研究者のみがアクセスできます。これらのデータには3つの主要なアクセスポイントがあります(図1参照):1:提出されたサンプル・データセットは整理、品質管理、調整されたあと、貢献した研究者に直接返却されます。研究員は、提供されたサンプルから生成されたデータについて、あらゆる探究の質問をする完全な自律性を持っています。2:完全な品質管理とデータ処理が完了した後、適切にアクセス管理されたリポジトリ(AMP-PDなど)を通じて、正規の研究者が利用できるようになります。このシナリオでは、GP2データは、有効なデータ使用アプリケーションを持っている全ての研究者が自由にアクセスでき、研究目的でのみ使用できます。

図1:貢献した研究者から資格のある外部研究者のアクセスまでの、GP2データの流れの概略図。
GP2での研究の提案と追求
GP2の研究者は、いつでも自由に新しいデータ収集、データ生成、分析戦略を提案できます。GP2には、追加研究をサポートするためのリソースがいくつかあり、研究者が追加研究を提案することを強くお勧めします。また、GP2はメンバーがGP2のデータと構造を活用して、GP2の直接の範囲外の業務に対するサポートを獲得することを検討することを奨励しています。GP2のデータを使った分析の提案はプロジェクト提案ワーキンググループまで提出してください。
分析、コード、および出版
出版とコード共有ポリシーは個別契約で説明されていますが、ここでは基本理念について説明します。GP2データから派生する3クラスの研究を想定しています:まず、1人の貢献研究者もしくは1つのサイトでGP2で生成されたデータを使用した分析。研究者は、これらのデータを自由に使用できます。この研究によるコードと結果をオープンに共有することを奨励し、サポートします。この研究はGP2の承認を必要としませんが、出版する場合はGP2をバナー著作者としてください。文書は、執筆後およびプレプリントサーバーと学術誌に提出する7日前までにGP2と共有する必要があります。第二に、GP2が支援した研究は基本的にGP2主導の研究とみなされます。GP2とそのメンバーは、個々の著作者として、またはGP2著作者のバナーの下で参加者および著作者となります。GP2役員は、研究とこれらの文書の内容を監視し、責任を負います。これらのコアプロジェクト、リード、および参加者を含む追跡文書を作成します。このリストは、分析や参加を制限することを目的としたものではなく、作業と分析の重複を減らすことを目的としています。第三に、アクセス管理ポータルでのデータリリースを通じてGP2データにアクセスしたGP2外部の研究者による研究です。この場合、GP2は研究およびバナーの著作者として招待される場合がありますが、必須ではありません。これらのデータの文書内または発表では、GP2を謝辞に記載してください。これらはほとんどの状況をカバーしているはずですが、例外的にこの合意の方向性に沿って進める方法がわからない場合は、研究者から直接GP2に説明を求めてください。
GP2文書レビューのためのAIの使用:
以下の文書は、GP2メンバーがAIツール・サービスを使って組織内および未出版文書のレビューを行いたい場合に適用され、特にパブリックドメインに存在しないすべてのGP2文書に適用されます。例えば、GP2コミュニティとは共有されているが、プレプリントとしてまだデポジットまたは出版されていない原稿の草案があります。
ご存じの通り、GP2コミュニティによる出版物査読はGP2の重要な活動であり、査読担当者は建設的なコメントや提案をするよう奨励されます。
- (i)クエリ文書を外部と共有(可能性があったり)したり、(ii)モデルのトレーニングや学習にこれらの文書を使用するような生成AIツール・サービスにこれらの文書の内容を入力しないでください。
GP2では、ユーザーアカウントの範囲外でデータを保存・共有しないAIの利用は可能です。
使用するAIソフトウェアの最新規約を確認し、本規約と一致していることを確認する責任はあなたにあります。
例えば、2025年4月現在、無料版のChatGPTは適合していません。
- 上記の点に準拠したAIツール・サービスを利用する場合、パブリックドメインにないGP2文書(未出版原稿を含む)の査読、フィードバック、要約を行うには、コメントする文書でAIの使用を開示する必要があります。
例えば、文書のコメントとして次のように追加します:- 「こんにちは、私の名前は<あなたの名前と所属>です。この文書の査読中にフィードバックのサポートとして<あなたが使用したAIツール名>AIツール・サービスを使用しました。
使用したAIツール・サービスがプライバシー保護されていること、すべてのコメントを文書に追加する前に確認して承認したことを承認します。」
- 「こんにちは、私の名前は<あなたの名前と所属>です。この文書の査読中にフィードバックのサポートとして<あなたが使用したAIツール名>AIツール・サービスを使用しました。
GP2からの除名
GP2メンバーは、厳格性、尊重、責任に関する基本理念を遵守することを期待されます。極端に不十分または意図的に誤解を招くような科学研究、GP2の行動規範またはその精神に遵守していない、GP2データを無責任に取り扱うなどの行為は、すべてGP2から削除される理由になります。GP2の基本理念(いじめ、ハラスメント、不適切な発言や行動など)に反する、またはそぐわない行動は、GP2リーダーシップ [[email protected]]まで直接報告してください。すべての申し立ては迅速かつ公正に検討し、調査されます。メンバーの削除決定は重大に取り扱われ、GP2運営委員会による議論と推奨が必要になります。