これまで取り上げられてこなかった人口群ワーキンググループ
遺伝学の分野では、多様性の不足は解決すべき大きな課題となっています。今日、ゲノムワイド関連解析(GWASs)およそ80%が非ヒスパニック系ヨーロッパ人で行われています。例えば、アジア人は世界人口の6割を占めていますが、調査されたサンプル中では10%にすぎません。ラテン系は0.5%、アフリカ系はそれを更に下回ります。このような格差は疾病の解析を限定的なものにし、遺伝情報に基づいた新たな診断方法や治療薬が開発された場合の不平等につながります。
私達の使命は、協力して非ヨーロッパ系人口群のパーキンソン病(PD)に関連する遺伝的因子の解読を向上させることです。これまで取り上げられてこなかった人口群からのPD罹患者と、同一人種の健康な対照群の募集を促進します。モノジェニックワーキンググループの取り組みに加え、私達はこれまで取り上げられてこなかった人口群から多様な家族を特定し、データ分析ワーキンググループと協力して、多様で複雑な遺伝子ミックスを解析するために必要な分析ツールの開発に尽力します。私達はバイオバンクや、地域の若手研究者向けのトレーニングの機会など物理的リソースを含む、参加国のリソース確保を目指します。研究者、特に若手研究者がすべての分析に積極的に参加できるようにします。
IPDGC-アフリカウェブサイト、IPDGC-東アジアウェブサイト、LARGE-PD (ラテンアメリカ)ウェブサイトで、ワーキンググループとそれぞれのイニシアチブについて詳しくご覧いただけます。
ワーキンググループ
Artur Francisco Schumacher Schuh, MD, PhD
Latin America Universidade Federal do Rio Grande do Sul | Brazil
Prashanth Lingappa Kukkle, PhD
Center for Parkinson's Disease and Movement Disorders, Manipal Hospital | India
マイルストーン
これまでの進捗
- PD遺伝学研究においてあまり取り上げられてこなかった集団に関する論文を発表(ref pmid:35867623)
- PDにおける初の複数祖先ゲノムワイドメタ解析をプレプリントとして発表(参考文献:doi.org/10.1101/2022.08.04.22278432)
- アフリカ、インド、ラテンアメリカ、米国、イギリスで研究が進んでいない人口群からの採用を支援し、中央アジア・トランスコーカサスPDイニシアチブ(CAT-PD)などの新しいイニシアチブも支援しました。
- 東アジアとアフリカでGWAS予備解析開始
- トレーニングワーキンググループが、これまであまり研究対象にされてこなかった人口群の研究者に研修の機会を提供し、研修生ネットワークに参加する若手研究者を育成することを支援しています。
未達成の3年目標
- 査読や出版における障壁に関するアンケートの実施
- これまで取り上げられてこなかった人口群(URP)が多い国における遺伝子検査に関する障壁の特定
- URP研究者によるGP2へのプロジェクト分析提案の奨励
- 採用や分析において、URP研究者グループのサポート
- 現在GP2に参加していない新しいURP地域の特定と関与
連絡先
ご質問、またはこれまであまり研究されてこなかったコホートで新しいコホートの可能性については[email protected].までご連絡ください。